理学療法士cosugi

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運動療法って何?

どうも、cosugiです

 

さて前回は心臓リハビリテーション(以下心リハ)について、定義や構成要素に関して少し説明していきました。

 

今回はその構成要素の中の1つである「運動療法」について、まとめていこうと思います。

 

まずは運動療法って何??というところからいきましょう

 

運動療法とは「障害や疾患の治療や予防のために運動を活用すること」と言われているようです(e-ヘルスネット 厚生労働省より引用)。

 

ということは心リハで言えば、心臓に何かしら疾患を有している患者様が治療として行ったり、疾患が悪くなるのを予防するために運動を活用していくこととなりそうですね。

 

心リハの定義から言えば、「心疾患に基づく」身体的・精神的影響をできるだけ軽減するとされていますが、心疾患を有する前段階で心臓そのものについての知識、運動や食事に対する知識等を獲得し、予防していくことも重要ではないかなと考えます。

 

話を戻して、運動療法は具体的にどんな効果があるのでしょうか?

 

効果に関しては、どのような心疾患を有しているかによって異なりますが、今回は虚血性心疾患と心不全に絞りたいと思います。

 

虚血性心疾患(その中でも心筋梗塞)と心不全に関してはまた別で詳しくまとめたいと思いますが、虚血性心疾患は「心筋(心臓を動かす筋肉)に栄養する冠状動脈に基質的な狭窄や閉塞、痙攣により、心筋の壊死、虚血をきたす疾患の総称」であり、心不全は「心機能低下に起因し、末梢組織の代謝要求に応えるだけの血液量(酸素)を心臓が拍出できない状態」と言われています(指導士資格認定試験準拠 心臓リハビリテーション必携より引用)。

 

この疾患や病態を有する方に対しての運動の効果として、参考にするのが心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012 年改訂版)です。

 

(診療)ガイドラインとは「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書。」(福井次矢・山口直人監修『Minds診療ガイドライン作成の手引き2014』医学書院.2014.3頁)です。

 

ではそのガイドラインにはどのように運動療法の効果が書かれているでしょうか?

 

まずは虚血性心疾患(心筋梗塞)について

①:長期予後・死亡率の改善

②:生涯リスクの改善

③:運動耐容能の向上

④:左室リモデリングの改善

⑤:自律神経系への影響

⑥:精神的効果

⑦:安全性

が挙げられています。

 

次に心不全について

心不全は大きく分け急性と慢性があり、急性の場合状況によっては運動療法が禁忌である場合も多いため、今回は慢性についての効果を列挙します。

①:運動耐容能への効果

②:心臓への効果(心機能、冠循環、左室リモデリングBNP)

③:末梢への効果(骨格筋、呼吸筋、血管内皮機能)

④:神経体液因子への効果(自律神経、炎症マーカー、換気応答)

⑤:QOL、長期予後への効果

が挙げられています。

 

虚血性心疾患(心筋梗塞)と(慢性)心不全という2つの疾患・病態だけでもこんなに多くの効果が挙げれています。

 

今回は少し長くなってきたので、1つ1つの効果の詳細は次回へ続くということで!

またよろしくお願いします!