理学療法士cosugi

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心リハにおいて「運動療法」ってどんな役割なの?

どうも、cosugiです。

 

今回も心リハについてで、前回からの続きです。

 

前回、虚血性心疾患や慢性心不全に対する運動効果に関して少しだけ細かく見ていきました。

 

まだまだ細かい点もあるかと思いますが、ご了承ください。

 

では今回も心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2012_nohara_h.pdf)や指導士資格認定試験準拠 心臓リハビリテーション必携を参考にして心リハと運動療法について述べていきたいと思います。

 

以前、心リハとは何かということはお話しましたが、改めて心リハにおいて運動療法ってどんな役割なの?本当に大事なの?

ってところを心リハの歴史や心臓の機能から少し考えていきましょう。

 

1960年代、急性心筋梗塞発症後は6-8週間はベッドの上で安静をとる(つまり寝床から離れられない)ことが厳格に実践されており、仕事へ復帰したり前のような生活を送れるようになることが珍しい状況でした。

 

そこから20年ほど経ち、1980年代、ベッドの上で長期間、ベッド安静を強いると身体に可逆的な調節異常が生じることが明らかになりました。これを「デコンディショニング」の概念とし、長期間ベッド安静を強いることで運動耐容能低下、心拍血圧調整異常、骨格筋廃用性萎縮、骨粗鬆症等の異常を生じることが確立されました。そのため長期的なベッド上安静を避け、早期に寝床から離れる(早期離床)、早期社会復帰・退院の風潮が強まりました。

 

退院や社会復帰の早期化の流れにより、入院期間は短縮し、アメリカでは1980年代には急性心筋梗塞患者の入院期間は10日ほどへ短縮したそうです。

 

退院が早まれば、今まで行ってきた運動に対する指導や患者教育に割ける時間が少なくなり、退院後にフォローするような形で「心臓リハビリプログラム」を行うようなり、徐々に心リハという概念が広まり始めたようです。

 

そして時が経ち、現在では早期離床によるデコンディショニング予防のみならず、冠危険因子の是正、二次予防(再発予防)のための生活指導、QOLの向上といった目的も含まれるようになり、入院中のみならず外来でのフォローや在宅での生活・運動指導まで時期に応じて対応するようになりました。

 

心臓の機能の面では、運動を行うということは筋肉を収縮させ、関節が動き、諸々の司令や制御を脳が担っているわけです。筋肉や脳の働きに「酸素」は不可欠であり、酸素を全身に送り出しているのが「心臓」です。

 

そのため「動く」ことと「心臓」というのは密接に関わっています。

 

以上のことから、「心リハ」において「運動療法」は大事な構成要素の1つであると思われます。

 

さてだいぶ前置きが長くなりましたが、じゃあ実際どうやって運動していくのか確認していきましょう。

 

まず大前提になるのですが、虚血性心疾患でも慢性心不全でも、どの疾患でもそうなのですが病態の把握、患者様の状態が今どのような状態なのか的確に評価しておく必要があります。

 

心リハの歴史の中でも、疾患の病期、つまり病気が起こって間もないのか、安定しているのかしていないのか、入院しているのか退院しているのか等、状況によってどのように関わるか、どんな運動をすればよいかといったことが変わってきます。

 

安定していない状態なのにどんどん動きましょうとはなりませんし、既に退院してある程度の職業復帰している方にベッド上で少し身体を動かして下さいでは効果として十分なの?となるかなと思います。

 

そのため教科書、ガイドライン等を参考に絶対禁忌・相対的禁忌や中止基準、変更基準を確認しつつ、実際には医師の指示のもとで運動しても大丈夫なのか、どんな運動ならやってもよいか確認してから運動に臨むようにしましょう。

 

といった長くなってしまいましたので、今回はここまでにしたいと思います。

 

もう少し要領よくまとめられれば、もっと多くの内容書けるのにな〜(とほほ...)。

 

またどうぞよろしくお願いします。