理学療法士cosugi

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酸素摂取量とは何かを知ろう

どうも、cosugiです。

 

さて今回はタイトルの通り酸素摂取量です。

 

前回のとこでは心肺運動負荷試験(以下CPX)のプロトコールについて特に負荷を×方法にはどんなものがあるか確認しました。

 

ちなみにプロトコールというのをWikipediaで調べると「複数の者が対象となる事項を確実に実行するための手順について定めたもの」だそうです。

 

つまりCPXのプロトコールというと、それに関わるスタッフがCPXを確実に実行するための手順についてまとめたものと言い直せるかなと思います。

 

前回のところで確認したのは、負荷方法として

①:一段階負荷

②:多段階漸増負荷

③:直線的漸増負荷

の3つが挙げられるというところでしたね。

 

プロトコールとなるとおそらく今まで負荷試験についてまとめた知識を持っていることで初めてCPXを行えるのかな〜と思われます。

 

ただし、私もまだまだ勉強途中ですので何かご指摘あれば随時コメントいただければ幸いです。

 

さて話を戻しまして、酸素摂取量です。

 

みなさんまずこの単語をご存知でしょうか?

 

酸素摂取量とは簡単に言うと、「単位時間あたり吸気ガスから取り込まれる酸素量」のことです。

 

つまりは単位時間(議論の基準となる時間の長さ)が1分間とすれば、息を吸い体の中に空気を取り込み、その空気の中に存在する酸素を1分間あたりどのくらい体の中に取り込めるかということを表しているわけです。

 

ではなぜ今回「酸素摂取量」とは何かを知ろうというタイトルかというと、この酸素摂取量が運動負荷試験を行い、生体にストレスをかけた際に観察される生理反応の1つに挙げられるからなんですね。

 

またCPXを行い、酸素摂取量の最大または最高量を測定することで、運動筋による有酸素的代謝を可能にする総合的な能力を知ることができます。この総合的な能力を「運動耐容能」なんて言い方をする場合があります。

 

具体的にfickの原理⦅元々は心拍出量を測定するための原理を提案、その式は心拍出量=酸素摂取量/(動脈血酸素含量-混合静脈血酸素含量)⦆による酸素摂取量が以下の式で示されます。

酸素摂取量=心拍出量×(動脈血酸素濃度-混合静脈血酸素濃度)

 

ちなみに心拍出量は心拍数×一回拍出量です。

 

つまり、酸素摂取量は、心拍数×一回拍出量で示される酸素の運搬能力と動脈血酸素濃度-混合静脈血酸素濃度(動静脈酸素較差)で示される組織の酸素利用能で規定されることがわかります。

 

またCPXにおいては、この最大値や最高値を測定することになります。

 

ここでも前にお話しましたが、ワッサーマンの歯車にも繋がるものがありますね。

 

酸素の運搬過程を示したもので、肺で酸素を吸入→心臓で酸素を運搬→骨格筋へ届き、筋内にあるミトコンドリアで酸素を消費してエネルギー産生→エネルギーを産生した副産物として二酸化炭素を産出→心臓が二酸化炭素を輸送→呼気で肺から二酸化炭素を排出すりという一連の流れを歯車を用いて説明している図であります。

 

まとめですが、酸素摂取量とは単位時間あたりに体に取り込める酸素量でしたが、fickの原理による式では酸素を運搬される能力と酸素利用する能力で規定されていました。

 

取り込むという言葉だけでみるとなんだか簡単そうですが、実は肺、心、骨格筋やミトコンドリア等様々な臓器や器官が関係している複雑な概念なんだなーってことが伝われば非常に嬉しい限りです。笑

 

また(最大、最高)酸素摂取量を測定することは運動耐容能(身体運動負荷に耐えるために必要な,呼吸や心血管系の能力に関する機能)を知ることができるのだという点も押さえていただければ思います。

 

ではまたどうぞよろしくお願いします。